アニメや同人誌のパロディは著作権侵害?二次創作をする前に知っておきたいこと

アニメ

何かを作り出す仕事をしていると避けては通れない著作権問題。中でもアニメや漫画のような媒体は視覚的に理解する分、文章などに比べて問題が顕著に現れます。特に最近は、アニメブームによって一般層(普段はアニメを見ない人)が作品を目にする機会が増え、更にはSNSが普及したことで、問題が大きくなりやすい環境になりました。そこで今回はアニメや同人誌におけるパロディの在り方、もとい、著作権侵害に抵触しないための知識を紹介していきます。

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著作権侵害は権利者が告訴しなければ起訴できない親告罪

アニメや同人誌のパロディ、もしくは、二次創作において最も重要な知識が、「著作権侵害は権利者が告訴しなければ起訴できない親告罪」だということです。

これはつまり、権利者(一般に原作者と言われるもの)が行動に出なければ、そもそも罪として成立しません。ですから、権利者が動かなければ盗作すらも(法律的な意味で)許容されます。

パロディを見た視聴者が著作権の侵害を訴える不起訴
パロディを見た権利者が著作権の侵害を訴える起訴

もちろん、仮に起訴となった場合も、実際に著作権侵害になるかどうかは裁判によって決められます。そのため、実際に著作権侵害となるのは、「権利者が著作権侵害を訴え、尚且つ、裁判で訴えが認めらた場合」です。

日本のパロディや二次創作は十中八九著作権侵害で起訴出来る

前項の親告罪の話でも分かる通り、日本では権利者が行動を起こさなければ著作権侵害は認められません。が…

権利者がその気になれば起訴はもちろん、訴えを認めさせることも非常に容易」です。

なんてたって、一般の読者や視聴者が一目で元となる作品が分かってしまうのですから、いくら裁判で争っても言い逃れは出来ません。権利者からすれば、「あなたたちの罪はいつでも裁けますよ」の状態です。

でもアニメのパロディが問題になったりってあんまり聞かないよね

これには主に2つの理由があり、1つは「パロディや二次創作は宣伝として利用出来るため」、もう1つは「裁判を起こすのには多大な費用や労力がかかるため」です。業界的な理由も含めるなら、アニメや漫画の世界は非常に限られた範囲で取引が行われているので、下手な話題を作ってギクシャクしたくないという理由もあったりします。

二次創作やパロディは権利者の『善意』あってのもの

裁判を起こすのは面倒だとかのメタい事情は抜きにして、宣伝は出版社や制作会社が行っているもので十分足りてますし、何よりパロディや二次創作を見たことで「原作を見よう」となる人はほぼいません。それどころか、二次創作で生計を経てている人がいる始末です。

それでも権利者が行動に出ないのは、一重に作品を愛しているから、つまりは「善意」です。二次創作によって作品の売上が分散しても、パロディで作品を使われても何もしないのは、権利者のご厚意によるものです。

我々が日々楽しんでいる二次創作やパロディは、権利者の優しさあってのものだということを肝に銘じておきましょう。

著作権侵害を犯さないために取るべき行動

少し前置きが長くなりましたが、いくら起訴される可能性が低いといっても、100%されないわけではありません。見せしめや気まぐれ、もしくは、法の改正によって自分が当事者になってしまう可能性もあります。ですから、著作権の正しい知識を会得し、合法的に作品の二次利用が出来るようにしましょう。

著作権の権利者に許可を取る

合法的に…などと言いましたが、正直、パロディや二次創作において合法はありません。

そこで最も確実なのが「権利者に許可を取る」です。

一般的にはTwitterや出版社などを通じて原作者に許可を取ります。その際、具体的に「どんな内容の作品で、原作のどの部分を利用するのか」を伝えるとスムーズに話が進みます。

ちなみに、当サイトでも画像利用のため出版社に連絡を取ることがありますが、大抵は「原作の誹謗中傷を目的とした利用をしない。アダルト、誹謗中傷など作品のイメージを低下させる利用をしない。記事を制作後に該当URLを送る」などの極々普通の注意点に留意することで使用を許可してくれます。

ただし、それは個人、かつ、非商用の場合で、お金が絡む(コ●ケで販売する)などだと使用料の問題が発生するかもしれません。本来著作物には対価が発生するものですから、使用には一定の対価が発生します。(飲食店でよくある作品とのコラボも裏で物凄いお金が動いてます)

それを乗り越えてはじめて、作品を合法的に二次利用することが出来ます。面倒ではありますが、著作権所有者に許可を取るのが最も確実かつ安全な方法です。

オリジナル要素が大半を占めるようにする

アニメのパロディはこの点を上手に利用しています。いわゆる著作物の引用要件と似たようなものですが、真似た作品(パロディ)の要素が1割、オリジナルの要素が9割であれば、権利者が問題を提起することはないでしょう。仮に裁判を起こされても負ける可能性は低いと思います。

対して、二次創作の場合はキャラクターは原作をもとにして、ストーリーのみオリジナルのパターンが多いため、オリジナル要素が大半を占めるようにするのはかなり骨が折れます。というより、必然的にキャラクターをいじる必要が出てくるので、その時点で二次創作ではなくなってしまいます

パロディは抜け穴のようなものがありますが、二次創作に関してはやはり権利者に許可を取るのが一番確実です。

オリジナルの作品で頑張る

元も子もないことを言ってしまいますが、やはり煩わしい感情に駆られるくらいなら、オリジナルの作品を創作した方が楽であるように感じます。なんなら、自分が真似される側になるような作品を作れたらとても素敵ですよね。

パロディや二次創作のご利用は計画的に

最後になりますが、一視聴者から見て面白いパロディも法律的には危うかったりします。例えば、国民的ギャグアニメの銀魂も過度なパロディで度々問題が発生していました。

パロディと言えば聞こえはいいですが、原作者からすればパクリと変わりありません。とはいえ、それをやることでユーザからの評価が上がるのも事実なわけで、今ではパロディ自体がコンテンツの一つになりつつあります。

最後になんでこんな話をしたかと言いますと、パロディをされてる側は何も真似してもらうために作品を作っているわけじゃありません。もちろん、パロディ大歓迎の作者もいますが、中にはよく思わない作者もいます。自分が心血注いで作った作品が面白おかしくネタにされているわけですから。

筆者もパロディを楽しんでいる側の人間ですから声を大にしては言えません。ただ、パロディが歓迎されないこともあると頭の片隅に置いておいてください。