『思い出のマーニー』の全部が分かる!杏とマーニーの関係、声優、舞台に至るまで徹底解説

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出典:ciatr.jp

2014年7月19日に公開された、米林監督(原作:ジョーンGロビンソン)によるジブリ映画『思い出のマーニー』。メインキャストに女優の有村架純さんが抜擢され、更には、ジブリ作品でありながら監督が宮崎駿氏でなかったため、当時は大きな話題を呼びました。

そんな『思い出のマーニー』ですが、公開から6年以上経った今でも根強い人気があります。その理由の一つが、本作ヒロインの杏奈とマーニーの存在です。実はこの二人、ジブリ映画の中でも特に謎が多く、公式から発表もないために様々な情報が錯綜しています。

そこで今回は、映画を9回、原作本を2回見た僕が『思い出のマーニー』に関するありとあらゆる情報を徹底解説していきます。これを見れば作品の全てが分かります。尚、本記事は多大なネタバレ、また、考察的憶測も含まれますのでご注意ください。

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あらすじ

「思い出のマーニー」劇場本予告映像

北海道を舞台に、心を閉ざした少女”杏奈”が、青い窓のある屋敷に暮らす金髪の少女”マーニー”と出会い、不思議なひと夏を過ごす姿を描いている。作中では、心に大きな傷を負った杏奈が、療養先の北海道でマーニーに出会うことから物語が始まる。ヒロインの二人はもちろん、杏奈を取り巻く人々にも強い人間らしさが込められており、子どもから大人まで多くの人の心を揺さぶる内容となっている。

登場人物

まずは予習も含めて、思い出のマーニーに登場する主要キャラクターを見ていきましょう。

杏奈(CV:高月彩良)

出典:www.cinematoday.jp

本作のヒロイン。生まれてすぐに両親を交通事故で失い、自分を引き取った祖母も僅か1年で天寿を全うした。自分を置いて先だった両親や祖母を恨んでおり、養母である頼子ともひょんなことから仲たがいしてしまう。北海道へは喘息の転地療養のために訪れた。

マーニー(CV:有村架純)

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療養先の北海道で杏奈が出会った女の子。淡い金髪と海の色の目を持ち、湿地屋敷の裕福な家庭に住んでいる。杏奈の前から突然姿を消したりと不思議が多い。

頼子(CV:松嶋菜々子)

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杏奈の養母。杏奈を育てるために一定の養育費を自治体から受け取っており、そのことがきっかけで杏奈との関係が悪化してしまう。愛情深くも不器用。

大岩セツ(CV:根岸季衣)

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療養先の北海道で杏奈をお世話してくれている気さくな女性。頼子とは親戚で、ひとり立ちした娘が帰ってきたようだと杏奈の訪問を歓迎している。

大岩清正(CV:寺島進)

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同じく、療養先の北海道で杏奈をお世話してくれている気さくな男性。木工職人をしており、あっけらかんとした性格ではあるものの、杏奈の訪問を喜ばしく思っている。

久子(CV:黒木瞳)

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マーニーの屋敷を描くミステリアスな女性。湿地屋敷に思い入れがあるようだが、その眼はどこかもの悲しさを感じさせる。

老婦人(CV:森山良子)

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杏奈の祖母。

マーニーの正体は結局なんだったの?

マーニーは杏奈の祖母だった

結論から言ってしまうと、マーニーは杏奈の祖母、つまりおばあちゃんです。何故マーニーが若い頃の姿で杏奈の前に現れたかは後ほど話しますが、ひとまず、マーニーは杏奈と接点のない人物ではなく、血の繋がった家族であるということです。ちなみにマーニーは、杏奈の両親が交通事故で命を落とし、杏奈を引き取った1年後に亡くなっています。

杏奈が見ていたマーニーはマーニーが若い頃の思い出

前述したように、現実のマーニーは既に死んでいます。つまり、杏奈が北海道に行った時点では話すことはおろか、会うことすら叶いません。ではなぜ、杏奈の前にマーニーが姿を現したのでしょう。

現実のマーニーは杏奈の両親の死後、杏奈を引き取り1年ほど育てていました。そして、その時に自分の過去を杏奈に語り聞かせていたのです。ただ、マーニーがその話をしたのは杏奈がとても小さい時だったので、当然覚えていません。

ここからは憶測になりますが、心が不安定な状況でマーニーの育った湿地屋敷を目にしたことで、過去に聞かされたマーニーの話が蘇り、幻覚を見たのだと思います。

マーニーが杏奈の祖母である伏線も

出典:anabre.net

ちなみに、マーニーが杏奈の祖母である伏線もしっかりと描かれています。

1.信子こと太っちょブタが杏奈の目を青いと言う
2.幼い頃の杏奈がマーニーそっくりの人形を抱きしめている
3.杏奈が初めて湿地屋敷を見た時「前にみたことある…」というようなことを呟く

初めて見た時は何も感じませんでしたが、改めて見てみると思わず納得です。

マーニーがサイロで姿を消した理由

出典:kinro.ntv.co.jp

杏奈が見ている幻覚は、幼い頃マーニーが話してくれた思い出を追体験している状況です。となれば当然、幼い頃に聞いていない話というのは体験することが出来ません。つまり、マーニーがサイロで姿を消したのは、杏奈がそれ以上の話を現実のマーニーから聞いていないからということです。それかもしくは、辛い記憶であったために杏奈が自身の記憶からその部分を無意識に削除した可能性も考えられます。そう考えると作中で突然マーニーが姿を消したりするのも説明がつきます。

杏奈は久子と和彦の二人の人物を体験している

出典:Fneoapo.com

杏奈が追体験しているのを事実と仮定した時に、作中でいくつかの矛盾が生じます。それは、マーニーと杏奈の話が噛み合っていない点です。思い出を追体験しているのであれば、物語はその通りに進むはずですが、実際は所々で歪みが発生しています。それを解き明かすのが、久子と和彦の存在です。

和彦はお金持ちのマーニーと結婚できるくらいですから、相応の家柄でしょう。しかし、物語の前半でマーニーの屋敷で行われたパーティーに行った時、杏奈は小さな魔女さんとして会場に入りました。和彦であればわざわざ身分を偽る必要はありませんから、残る可能性は一つ、物語の前半と後半で体験している人物が変わっているパターンです。

つまり、物語の前半では久子とマーニーが秘密裏に会っている時の体験をしており、物語の後半では和彦とマーニーの思い出を体験しているわけです。ちなみに、物語の終盤で久子が杏奈たちにマーニーの生涯を語るシーンがありますので、久子とマーニーが友達であったことは間違いありません。サイロにてマーニーが杏奈のことを和彦と呼ぶシーンも、思い出を追体験していたが故の出来事です。

回想シーンで若かりし頃の久子さんが出ている

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公式が声明を出したわけではないので推測の域を出ませんが、言われてみると雰囲気とか似ているような気がします。それと久子さんの隣に立っていると女性が妙に杏奈に似ているのも気になりますね。

マーニーの日記

出典:www.ghibli-museum.jp

杏奈は当初、マーニーを自分が作り上げた妄想と考えていましたが、マーニーの日記を発見したことで、マーニーが実在する人物だと気づきます。この日記がなければ杏奈はマーニーの存在を真に認めることもなかったですし、何より立ち直ることが出来なかったでしょう。

杏奈の心情が空に反映されている

出典:twitter.com

宮崎駿監督が快晴にこだわりを持っていることもあり、ジブリ作品では快晴がよく描かれます。しかし、思い出のマーニーはその逆、むしろジメジメな空模様が積極的に描かれています。これは原作がイギリスの湿地帯、つまりはジメジメしている場所が舞台となっていることもありますが、作品をジックリと見ると杏奈の心情と天気が連動していることが分かります。

作中では晴れていたかと思えば曇り、かと思えば落雷というように、天気がめまぐるしく変わりますが、それはズバリ、杏奈の心がめまぐるしく動いていることをあらわします。天気の変化は作中の至る部分で見ることが出来ますが、物語の最後、杏奈がマーニーを許すシーンが最も分かりやすく描かれています。

百合映画と呼ばれることがあるのはなぜ?

出典:renote.jp

『思い出のマーニー』は時折、百合映画と呼ばれることがあります。理由としては、作中でマーニーが積極的にスキンシップをし、杏奈もそれを受け入れていることが挙げられます。また、キャッチコピーの通り「あなたのことが大すき。」と愛情をダイレクトに伝えているシーンもあるため、人によっては百合展開に見えてしまうのかもしれません。ただ、原作を読む限りそういった要素や意図は一切ありませんので、あくまで視聴者の一意見程度に考えておきましょう。

太っちょブタと言われてる信子は実はとても器が大きい

出典:shinya1996.hatenablog.com

作中で太っちょブタなどと言われ馬鹿にされている信子ですが、実は器量の良い女の子であることはあまり知られていません。

杏奈が信子に対して「太っちょブタ」呼ばわりをしたのに対し、信子は杏奈の悪い点を指摘して「これで終わり」と場をおさめようとします。血気盛んなお年頃でありながら、過剰にやり返さず、しかもその場でまとめるなんてそう出来ることではありません。

原作小説ではサンドラ(信子)がアンナ(杏奈)に因縁を付けたことで、「太った豚」と言い放ちますが、映画における信子は気のいい姉御肌の女の子で、それこそ突然「太っちょブタ」などと言われる筋合いはないのです。

また、物語の最後で信子は杏奈に「来年はゴミ拾いしなさいね」と声をかけており、一見するとつっけんどんな態度に見えますが、裏を返せば「来年も来なさい」と言っているわけで、ツンデレっぽい可愛らしい一面ととれます。

何かしたわけでもないのに雑な扱いを受けた信子さんなのでした…。

宮崎駿監督が好きになり、同時に諦めた作品

出典:toyokeizai.net

元々、児童文学作品が好きなことで有名な宮崎駿監督ですが、『思い出のマーニー』にも好感を持っていました。『思い出のマーニー』を語る宮崎駿監督について、スタジオジブリの西村義明プロデューサーが以下のように述べています。

もともと宮崎(駿)監督が大好きな原作なんです。10数年前に読んだそうで、青い窓から金髪の少女が姿を現すイメージが強く頭に残っている。ただ、本人は『自分では生涯映画化はできない。難しすぎる』と言っていた

出典:シネマカフェ – 『思い出のマーニー』は北海道を舞台にした初のジブリ作品! なぜ今まで避けていた?

日本アニメ映画界の巨匠である宮崎駿監督がここまで言ったわけですから、実際に作品を手掛けた米林宏昌監督のプレッシャーはさぞ大きかったことでしょう。

聖地(舞台)は北海道釧路地方

『思い出のマーニー』は北海道釧路地方、主に釧路、根室、厚岸が舞台になっています。北海道でロケハンがなされたことまでは判明していますが、具体的にどの場所を資料にしたのかは明らかになっていないため、雰囲気が似ている場所を探していった結果釧路地方が合致したようです。

出典:retrip.jp
出典:retrip.jp
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美しい景観なので聖地巡礼に行ってみたい所ですが、釧路と言ってもかなり広範囲で、尚且つユーザーによって「ここが聖地だろう」というポイントが違うため、『思い出のマーニー』の聖地を調べ始めると無限に出てきます。いっそのこと、自分だけの聖地を見つけるのも楽しいかもしれません。

ちなみに、原作小説はイギリス東部のノーフォーク州にあるバーナム・オーバリーという港町が舞台になっています。ガイドブックにも載っていないような小さな町ですが、真の聖地を味わいたいという方は是非足を運んでみてください。

出典:ja.wikipedia.org

ジブリ作品初の全編英語歌詞の主題歌

主題歌は、ジブリ作品初の試みとなる全編英語歌詞で構成された、「Fine On The Outside」(プリシラ・アーン)。

【来日公演決定】Fine On The Outside / プリシラ・アーン スタジオジブリ映画『思い出のマーニー』主題歌

歌詞の意味と作品を照らし合わせながら聞くとより感慨深いものになります。

思い出のマーニーをもっと知るなら原作小説を読むべし!

出典:www.cinemawith-alc.com

正直な話、原作を読めば思い出のマーニーの謎のほとんどを解き明かすことが出来ます。それくらい、原作小説は細かく、深く書かれています。余韻を楽しむならば映画だけで十分ですが、余韻の向こう側、作品の全てを知り尽くすのであれば是非原作小説を手に取ってください。英語版だけでなく、日本語訳がなされた本も発売されています。